Interviewお客様インタビュー
岡山・空き家を生まない
プロジェクト 様
空き家問題解決の岡山モデルとして氏原准教授のもと発足した産官学協同の「岡山・空き家を生まないプロジェクト」に、代表のムラカミヨシコがデザイナーとして参加。
ホームページ、アンケート事前告知チラシ、リーフレット、ガイドライン作成を担当させていただきました。
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お客様インタビュー
岡山大学学術研究院環境生命科学学域
准教授 氏原岳人 様
Q 「岡山・空き家を生まないプロジェクト」の概要と、代表のムラカミが参加することになった経緯を教えていただけますか。
空き家になる前の住宅居住者に働きかけ、意識と行動を変容させることが一つの目的。
そのために多分野のプロに参加をお願いした
このプロジェクトは空き家の活用をどうするかという問題に加え、住居が空き家になる前に住宅所有者に働きかけることを目的とした試みでした。
問題提起をして、何らかの行動を起こしてもらうことが最終目標です。そのために社会心理学や行動経済学に基づいたアプローチを全員で考え構築していきました。
メンバーは私の在籍する岡山大学、岡山市、建築コンサルタント、建築士、弁護士、司法書士、地元の工務店さん、そしてムラカミさんにはそれまでにも行政の審議会などで何度かご一緒して、こちらの喋った内容をビジュアルに変換してもらったことなどもあり、参加をお願いしました。
Q プロジェクトの立ち上げ段階から、デザイナーをメンバーに加えられたのは何故でしょうか。
社会問題の解決には、人々の自主的な行動変容が欠かせない。
デザインはそれを促す重要な一要素
私の専門は都市計画なのですが、例えば空き家問題も含め、渋滞や環境問題といった社会問題を解決するためには、建物や交通などのハード面やインフラ整備などと併せて、人々の行動を変容させることが不可欠です。
そのための働きかけの一つとして人々に情報提供をする時に、本来はもっと人の心を動かす工夫があるべきだと、中でも有効なのがデザインの活用だというのが私の考えでした。
ムラカミさんには本質をしっかり理解してもらい、根本的なところからプロジェクトの方向性についてデザイナーとしての示唆をいただきたかったので、メンバーとして初回から全ての会議に出席していただきました。
Q 具体的にはアッパービレッジとはどのような形でデザインを進められたのでしょうか。
手にした人の心に呼びかける、最初のきっかけを作る工夫を
今回の場合だと、とりわけ空き家になる前の住宅所有者、元々は全く関心のない人々に呼びかける最初のきっかけづくりにおいて、デザインの役割が非常に重要だと考えていました。どんな呼びかけでも、ただ文章が羅列してあるのでは頭に入ってきませんよね。
例えばガイドラインでは表紙を物語り形式にして、家の放置デメリットなども提示し、それに続いて今できること、相談先などの選択肢を紹介するといった工夫を取り入れたのですが、時間的な制約もある中で、本質的なところをよく理解されて、目的に沿ったデザインをしてもらえたと思っています。
Q プロジェクトの成果はいかがでしたか。また、どのように評価されていますか。
アンケート回答者の約2割が行動変容、想定を上回る結果に
大学の研究でもあり、結果の検証も行いましたが、実際に2割の住宅所有者が何らかの具体的な行動を起こしたという回答を得ました。目標値は1割でしたから、このプロジェクトは成功だったと、デザインもその中の一要素として有効だったと言えると思います。
他にはない取り組みだったこともあり、HPを見た大手企業やベンチャー企業、地元の工務店などからも問い合わせがありました。社会問題というのは全て、人と人とのコミュニケーションに関わる問題ですから、もっと広くデザインの力を必要としているものがあるはずです。今後も様々なプロジェクトで、デザインを活用した問題解決に取り組んでいきたいと考えています。
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